メディテーション

ミャンマーに行ったらこれまでに悪行を積み重ねてきて、腐りきってた根性を少しでも浄化するためにメディテーション「瞑想」をしようと思っていた。瞑想といえばパゴダと相場が決まっている。あの境内のタイルは卵が焼けそうなほど熱いのに、堂内は不思議とひんやりしていて、金色に輝くパゴダはその頂上につけられた風鈴が風にチリーンチリーンとなびく。その音に耳を澄ますと、次第に雰囲気に包まれ、仏教徒でないぼくの心も落ち着いてくるのがわかった。でもパゴダに行くときはほかの人と一緒だったり、蚊がいたりしてなかなか瞑想するにはタイミングがあわなかった。瞑想自体は仏教の専売特許でもなんでもない。どこでも、どんな姿勢でもすることができる。そこでぼくはひるやすみや授業の合間にHITOセンターの屋上に上がって瞑想していた。イラワジ川の方向にあぐらをかく。熱い、でも教室で感じる暑さとは別物である。汗がいくら出ても暑いとは感じない。たぶん風のせいだろう。ゆっくり景色を見ながらボーっと何も考えなくする。目を瞑るも開くもその流れに任せていると、だんだんまわりの音が小さくなっていって、風の音だけが聞こえるようになり本当に風に乗っているような気がしてくる。そうやって30分も座っていればぼくにしては長いほう。そうするとすっとストレスが軽くなってるのを感じることができた。初めてこの感覚を感じたときはいいものみつけたっと思ってうれしくなった。

 

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