運命
2000/10/29
いよいよ明日から、不休の1ヶ月が始まる。11月は、毎週土曜と日曜に、日本語能力試験対策コースがあるからだ。
そこで思ったのだが、ここらで初心に帰って、気合を入れなおすのも悪くないと思い、1年前に書いた、ネパールへ行くにあたっての決意とでもいえるようなものを、ここに再録したい。
運命について
ネパールへ行くことになった。
期間は1年。現地の日本語学校の教師としてである。
どうしてネパールなのかとはよく聞かれることだが、一言で答えるのは難しい。前からネパールに興味があった訳ではないし、海外で働けるなら、どこでもいいと思っていたし、そもそも僕はネパールがどこにあるのかさえ知らなかった。
それでも強いて理由を挙げるとすれば、それは「運命」だとしか言いようがない。最初にネパール行きの話を聞いた時に僕はロバート・ハリスの「ワイルドサイドを歩け」(講談社)という本を読んでいたのだが、その中に首都カトマンドゥのことや、ヒマラヤ(僕はヒマラヤがネパールにあることも知らなかった)の登山家についてのエピソードなどが書かれていた。面白いなあと思っていたところへ、この話である。まったくいいタイミングだとは思いませんか。
さらに僕が子供の頃よく読んだ絵本が「プンクマインチャ」というのだが、そういえばこれもネパールの民話だったことに気付くにいたって、まるで熱に浮かされたようになってしまった。単なる思い込みじゃないかと言われれば、まさにその通りなのだが、人間時には勢いも必要だろう。
それにしても、去年(1998年)の7月に養成講座を始めた時には、まさかこうなるとは思っても見なかった。そして、この1年3ヶ月の間に様々な人と出会った結果、このような文集が作られるということは、とても素晴らしいことであり、これもまた「運命」だとしか言いようがないことである。
最後に、願わくは21世紀に向けて、このような文集が1冊でも多く作られんことを。そして、もし皆さんの都合が良ければ、1年後に元気な姿で再会できることを祈って。